がんの手術を無事に終えると、予防措置として特別な治療がない場合でも「5年程度の経過観察」を申し渡されることになります。
具体的には、半年とか年に1回の血液検査とCT検査などを受けることになります。
このCT検査ですが、いわゆる放射線を浴びるわけです。
胸部CT検査1回の線量は、10ミリシーベルトと言われています。
いわゆるX線撮影と比べると200から300倍に相当します。
また最近問題になっている原発事故で国が避難の目安にした年間被ばく線量20ミリシーベルトですから、CT検査の線量の高さはお分かりいただけると思います。
これだけの線量ですから、年に何回か定期的に浴びて大丈夫なのか?と不安になる人も多いと思います。
主治医に聞きにくいこともありますので、巷でどのような主張があるのか調べてみました。
まずは一般的な見解として
大阪大学医学部附属病院放射線部の放射線被ばくについてのQ&Aより
私たちが使用する放射線(X線)の量は、身体に影響が出ると言われている量よりもはるかに少ない量を使用しています。そして、必要な場所のみに必要最小限のX線量で病気を見つけ正しい診断が下せるように検査を行っていますので、放射線による影響をご心配されることはありません。安心して検査をお受け下さい。
定期的(年1回)にCT検査を受けていますが、身体に影響はありませんか?
年1回のCT検査で身体に影響が生じるような線量には到達しません。X線検査程度のX線量では、影響が現れることなく回復するとされています。
それよりも患者様が定期的に検査を受けられて、疾患を早期発見されることの方がはるかに有益です。短期間に複数回のCT検査を数回受けられても影響が蓄積するわけではありませんので、障害の発生につながることはありません。
では、異論を唱えている方です。
まずは有名な方ですね。慶応大学医学部放射線科の近藤誠先生
日本には、世界の約3分の1のCT装置がある。
日本は、検査被ばくによる発がん死亡率が世界一であると考えられる。
乳房は諸臓器の中でも放射線による発がんリスクが高い。
がんの早期発見のための検診や、がん術後の検査被ばく線量は、定期的であるがゆえに増える。
年齢が低いほど、放射線被ばくによる発がんリスクが高くなる。
日本の医師が野放図に放射線検査を繰り返すには理由がある。
最新式のCT装置ほど発がんリスクが高くなる。
続いてこんなブログもあります。
脳神経外科医の田中先生
CTスキャンは医療被曝しますよ
日本の医療被曝は世界平均の5倍受けている異常国家であることを知りましょう。被曝する検査は必要最低限にすべきです。むやみな被曝は是非止めて下さい。特に、子供さんです。頭を打って心配だから頭のCTをなんて人が後を絶たないですから。
もちろん、近藤先生はじめ「CT危険」派は、医療従事者の中では異端者です。
いつの時代も異端者はいて、どちらが正しいのかは後の世になってから分かるわけですが、「今の患者は一体どうしたらいいの?」です。