精巣腫瘍は病院で見せるのが恥ずかしいということで、精巣が腫れているのに気づいても医者に行かないで放っておく人も多いそうです。
精巣腫瘍の主な症状と疑うべきケースを知っておくと、早期発見に繋がります。
精巣腫瘍の主な症状
精巣腫瘍の主な症状は、片側の精巣の腫れや硬さの変化です。
しかし、多くの場合痛みや発熱がないため、かなり進行しないと気付かないことも少なくありません。
また、精巣腫瘍は比較的短期間で離れた臓器に転移するため、時には、肺や骨、頚部および後腹膜リンパ節などへの転移により発見されることもあります。
転移した部位により症状は異なりますが、例えば、
腹部リンパ節への転移の場合:大きくなると腹部のしこり・腹痛・腰痛
肺への転移の場合:息切れ・咳(せき)・血痰(けったん)など
頚部リンパ節への転移の場合:首のしこり
肺への転移の場合:咳、息が苦しい、血痰など
精巣腫瘍を疑う症状
精巣腫瘍を疑うには次のような症状が見られる時です。
しかし、他の病気でも場合によっては同じ症状があるため、医師の診察を受けて鑑別する必要があります。
・痛みを伴わない陰嚢内(精巣部分)のしこり
・痛みを伴わない陰嚢内容(精巣)の腫大
・痛みを伴うことも有りますが精巣に痛みを伴う人は1割くらい
・下腹部または鼠径部に鈍痛がある。
・精巣または陰嚢における疼痛または不快感。
精巣腫瘍と間違いやすい病気
精巣腫瘍と間違いやすい病気としては、次のような病気があります。
陰のう水腫:
精巣の周囲に液体がたまって陰嚢が膨らむ病気です。
精巣上体炎:
細菌が尿道から精管を通って精巣上体に到達し炎症する病気です。
陰嚢部が膨れ、痛みがあり、高熱(38度以上となることも多い)が出ることが多いですが、症状が乏しいこともあり、精巣腫瘍と鑑別が必要です。
精巣炎:
いわゆる「おたふく風邪」に伴って起こる病気で、ウィルスが精巣に移行して精巣が腫れます。
思春期以降のの約20%に合併し、耳下腺炎発症の3~5日目に痛みを伴って精巣が腫れてきます。
精巣捻転:
精巣が急に成長する思春期に多い病気で、精巣がそれにつながる精索(せいさく)を軸として回転し、血管がねじれて血液が精巣に行かなくなることで痛みが生じます。
発見が遅れると精巣を摘出せざるを得ないことがあります。
鼠径ヘルニア:
いわゆる脱腸と呼ばれるもので、本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、多くの場合、鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てくる病気です。
陰のうが腫れるまで腸 が下にさがることがあります。