精巣腫瘍の再発・転移を宣告され、その場で抗ガン剤治療を勧められたわけですが、その時真っ先に頭によぎったのが、会社と仕事のことです。
いくらガンになったら自分の身体が第一とはいえ、生活があります。
ましてや、嫁さんと生まれて5ヶ月の子どもを抱える一家の大黒柱としては、家族の生活も自分の身体と同じくらい大事なのです。
会社員が長期入院する時の不安
病気が治るのはもちろん良い事なのですが、だからといって長期入院で会社を休んでしまっては、その間の生活はどうなるんだろうと、当然の不安が湧いてきます。
抗がん剤治療をする場合、入院3カ月+自宅療養1カ月で、4カ月くらいは会社を休む必要があります。
まず、そんなに長期で休んでも会社を辞めなくていいのか?サラリーマンなら誰でも気になりますよね。
休職制度というのは結構どこの会社にもあるので、それを使えばなんとか、、と思うのですが、休職の場合はその間は無給のはず。そうすると、生活費と治療費はどうしよう?
手持ちの有給を使うにしても15日くらい、月の営業日は20日ちょっとなので、まあ1カ月くらいならなんとかなるかという程度。まるで足りないので、それ以上休む場合はどうなるのか?
いろいろ不安が湧いてきます。
会社の人事制度を確認
今まで見向きもしなかった会社の就業規則ですが、初めて熟読してみました。
すると見つけたのが「私傷病休暇」。
なんでも病気や怪我で長期の休みが必要になった場合、有給を使い切った後も月の給料の2/3は支給してくれるとのこと。
そんなありがたい制度があったんですね。僕の場合は入社1年未満だったので期間は3ヶ月。その後2カ月は無休ですが休職扱い、それで戻ってこれなければ解雇要件に該当みたいことが書いてありました。
とりあえず有給も入れると半年くらいは休んでも会社員身分は保障されて、収入も最低限は確保できるようなのでひと安心。
健康保険組合からも救いの傷病手当金
もうちょっと調べてみると、健康保険組合でも傷病手当金という制度がある。こちらは怪我や病気で働けなくなり、その間に会社から給料が出なかった場合に、その2/3を出しくれるというもの。
つまり、会社の私傷病休暇の3カ月間は会社から給料の2/3が支給され、それ以降の無給休職期間に突入したら健康保険組合から傷病手当金として引き続き給料の2/3が支払われるということです。
なんてありがたい制度。毎月の給与明細で、引かれてる保険料が高いといつも不満タラタラでしたが、この時ばかりはありがたくて感謝の言葉もありません。
きっと僕のような大きな病気や怪我をしないと、このありがたみは感じないでしょう。会社の皆さんごめんなさい。
これに自分で入っている医療保険で治療費を賄えば、お金の心配はなくがんとの闘いに臨めそうです。