「若いうちは賃貸でいい」と思っていると、突然がんになったとき、マイホーム問題で頭を悩ませます。
マイホームを購入した後に病気になった方は別とし て、僕のように「若いうちは賃貸でいい」と思って いた人にとって、いざ病気にかかった時に人生設計 が大きく崩れるのが、このマイホーム問題です。
何千万ものお金をがんに罹ったことのある人間に貸してくれるのだろうか?
誰もが不安になることです。
銀行の住宅ローンとフラット35、がん経験者にとっての問題は
「がん」経験者が住宅ローンを組めるのか?、結論から言うと、契約可能です。
ただし、「発病後3年は何事もなく経過している」か、「いざ何かあった時にローンを清算できる備えがあるか」の、どちらかが必要です。
住宅ローンには、一般的に銀行がやってるローンと、公庫などが取り扱っているフラット35などがあります。
がん経験者の視点からそれぞれ評価すると、大きくは次のようなポイントが問題になります。
◆銀行の住宅ローン
必須条件の団体信用生命保険(住宅ローンをチャラにする生命保険のこと)がネック
◆フラット35
団体信用生命保険必須でないので病気で不利になることはないが、いざ発病して「もしも」が現実になってもローン免除にはならないので、そもそも返済できなくなるというリスクがある
問題は「住宅ローンは組めるのか?」、「途中でがんが再発し返済不能にならないか?」といったあたりだと思います。
団信加入がネックの銀行の住宅ローン
銀行などで利用できる住宅ローンには契約条件として、団信加入(団体信用生命保険、住宅ローンをチャラにする生命保険のこと)が求められることが一般的です。
団信加入時には、現在の健康状態や過去の病歴に対する保険会社への告知義務があります。
もし、これを偽って加入した場合には、告知義務違反ということで、保障が無効になります。
ちなみに、団信加入時の病歴告知は過去3年間で、告知事項は会社によって違うのかもしれませんが、 以下のような感じです。
(1) 最近3ヶ月以内に医師の治療・投薬を受けた場合。
(2) 過去3年以内に下記の病気で、手術を受けたこと または2週間以上にわたり医師の治療・投薬を受け た場合。
(3) 手足の欠損または障害。または、脊髄・視力・ 聴力・言語・そしゃく機能の障害。
(2)の「下記の病気」の中にもちろんガンも含まれる ため、ここがネックになるのです。
もちろん嘘をつけば、審査事態はあまり厳格には行っているようには見えませんので、通ってしまうかもしれません。
しかし、本当に何かあった時には当然契約違反で保険がおりないので、嘘をついて加入するのは、絶対にやめましょう。
団信加入が必須でない住宅ローン「フラット35」
団信加入が条件の住宅ローンは、3年間何事もなく過ぎるのを待ってから、次のチャンスを狙います。
「3年も待てない」という方。
団信加入が条件でない住宅ローンもあります。
それが「フラット35」です。
フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している「長期固定金利住宅ローン」です。
「長期固定金利住宅ローン」とは、資金の受取り時に返済終了までの借入金利、返済額が確定する住宅ローンです。
商品の主旨とは関係ありませんが、このフラット35は団信加入を勧めてはいますが、必須でないのです。
ですので、病気をしていることで不利になることはなく堂々と申し込めます。
しかし!!よく考えて下さい。
たとえ契約できたとして、いざ発病して「もしも」が現実になっても、残された家族はローン免除にはならないのです。
ということは、何かあった時にいつでもローンを完済できるだけの備えがないと、団信なしで契約なんて、不安でしょうがないですよね。
いずれにしても住宅購入には入念な準備を
ということで、フラット35を考えるときには、団信に代わるリスク回避策を仕込んでおくことをお勧めします。
それは、生命保険の受取額を厚めにしておくことだったり、十分な貯蓄を準備した上でローンを組むことです。
そうやって準備すると、どちらにしても3年くらい必要ですね。
結局そこまで待てば銀行ローンも視野に入ってくるので、じっくり考えて入念な準備をするのがいいでしょう。